ページをめくった瞬間、ふわりとやさしい色に包まれる——。
荒井良二さんの絵本『ねこのゆめ』は、そんな“心の中の静かな場所”へと連れていってくれるような一冊です。
絵本『ねこのゆめ』とは
作者の荒井良二さんは、日本を代表する絵本作家のひとり。
独特の色づかいと詩のような言葉で、読む人の心にやわらかく寄り添います。
『ねこのゆめ』は、その中でも特に“色彩”が印象的な作品。
表紙いっぱいに広がるピンクや水色、黄、緑…。
まるで絵の具の夢が溶け合っているようで、見ているだけで胸の奥があたたかくなります。
その中心に描かれた、うしろ姿のねこ。
静かに、でも確かに「何かを見つめている」ように感じられます。
言葉よりも、色で語る世界
この絵本には、たくさんの言葉は出てきません。
でも、ページをめくるたびに感じる“想い”は、言葉以上に豊かです。
ねこの背中の向こうに広がる景色。
朝焼けのようなピンク、夢の中のような青、あたたかな黄色。
どの色もやさしくて、悲しみも喜びも包み込んでくれるようです。
まるで「生きることって、こんなにもカラフルなんだよ」と、絵本がそっと教えてくれているような気がします。
ねこの“ゆめ”が見せてくれるもの
“ゆめ”という言葉には、眠っているときに見る夢と、心の奥に抱く“願い”という意味があります。
『ねこのゆめ』のねこは、どんな夢を見ているのでしょうか。
寂しさの中にあたたかい光を見つけるような、そんな静かな希望が、この絵本には流れています。
読むたびに違う感情が湧いてくるのも、この作品の魅力。
子どもが読めば、色の美しさに心を奪われ、大人が読めば、“心のやすらぎ”をそっと取り戻せる。
それぞれの人生のタイミングで、感じ方が変わる“生きた絵本”です。
色彩の中に生きる“ねこ”の存在
荒井良二さんの描くねこは、決して派手でもリアルでもありません。
でも、存在感があります。
それはたぶん、「誰かの中にいるねこ」だから。
飼っていたねこ、出会ったねこ、あるいは自分自身の心の中にいる“ねこ”の姿かもしれません。
絵本を読み終えるころには、まるで自分もそのねこの夢の中を歩いていたような気持ちになります。
読み終えたあとに残る“やさしい余韻”
『ねこのゆめ』は、派手な展開も、はっきりした結末もありません。
でも、ページを閉じたあとに残る“静かなぬくもり”が心を包みます。
忙しい毎日の中で、少しだけ立ち止まって深呼吸したいとき。
この絵本を手に取ると、心がふんわりと軽くなります。
読む時間そのものが“夢のようなやすらぎ”になる。
そんな魔法のような一冊です。
ももブログ編集後記
荒井良二さんの作品は、色や線が“心の言葉”になっています。
『ねこのゆめ』を読んでいると、
「ねこってきっと、人の夢の中でもやさしく寄り添ってくれる存在なんだな」
と思わず微笑んでしまいました。
ララちゃんやルルくんも、きっと絵本にあるような夢を見ているのかもしれませんね🐾
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