最近うちの子、水をよく飲む気がする…これって大丈夫?
「前よりお水を飲む回数が増えた気がする」
「おしっこの量が多いように感じる」
こんな小さな変化に気づくと、ちょっと不安になりますよね。
犬の多飲多尿(たくさん水を飲み、排泄量も増える状態)は、 体が出しているサイン のひとつ。
もちろん、季節や運動量による一時的な変化のこともありますが、
数日〜1週間ほど続く場合は一度チェックしてあげることが大切です。
この記事では、犬の正常な飲水量の目安から、考えられる病気、自宅での観察ポイントまで、分かりやすくまとめています。
犬の1日の“正常な飲水量”の目安

一般的に、犬の1日の飲水量は以下が目安です。
体重1kgあたり 50〜60ml/日
例でイメージしてみましょう
- 3kg → 約150〜180ml
- 5kg → 約250〜300ml
- 10kg → 約500〜600ml
- 20kg → 約1,000〜1,200ml
コップ1杯=約200ml なので、10kgの犬は 2.5〜3杯くらい が目安になります。
この量を超えると「多飲」の可能性
体重1kgあたり100ml以上/日
を超える場合は、多飲が疑われます。
例:10kg → 1,000ml以上
食事内容(ドライフード中心)、季節、運動量などによって多少増減はありますが、
“明らかに多い状態が続く” ときは注意が必要です。
多飲・多尿で考えられる主な病気
多飲多尿は、腎臓・ホルモン・糖代謝など、体のさまざまな異常で起こります。
ここでは代表的な病気を分かりやすくまとめます。
① 慢性腎臓病(腎不全)
腎臓は「血液をろ過して尿を作るフィルター」の役割をしています。
腎臓の働きが弱くなると、尿を濃くできず、水分をたくさん排出してしまいます。
そのため、失われた水を補おうと 飲水量が増えます。
主なサイン
- よく水を飲む・尿量が多い
- 体重が減ってきた
- 食欲低下
- シニア犬に多い
② 糖尿病
血糖値が高くなると、尿に糖が漏れ出し、
その糖と一緒に水分も大量に排泄されます(浸透圧利尿)。
その結果、体が脱水を補おうとして飲水量が増えます。
主なサイン
- 多飲多尿
- 食べているのに痩せる
- 元気がない日がある
③ 副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
“コルチゾール”というホルモンが過剰に出る病気です。
尿を濃くする機能が低下し、尿量が増え、結果的に飲水量が増えます。
主なサイン
- お腹がぽっこり
- 左右対称の脱毛
- よくハァハァする
- 食欲旺盛になりやすい
④ 子宮蓄膿症(未避妊のメス)
感染により子宮に膿が溜まる病気で、命に関わることがあります。
炎症や発熱の影響で飲水量が増えることがあります。
主なサイン
- 陰部から膿が出る
- 元気がない
- 食欲不振
- 嘔吐
緊急性が高いため、疑わしい場合はすぐ受診が必要です。
自宅でできるチェックリスト
多飲多尿が気になる時は、次のポイントを確認してみましょう。
✔ 飲水量
- 体重1kgあたり100ml以上かどうか
- 数日続いているか
- ペットボトルにメモリを付けて測ると簡単
✔ 排尿の変化
- 回数が増えた
- 1回の尿量が多い
- 夜間の排尿が増える
- トイレの失敗が増える
✔ 体調・行動
- 食欲が落ちた/反対に異常に増えた
- 体重の変化
- 元気がない
- 毛艶が悪くなった
動物病院を受診すべきタイミング
すぐに受診
- 急激な多飲多尿
- ぐったりしている
- 食欲がない
- 嘔吐が続く
- 未避妊メスで陰部から膿
数日〜1週間以内に受診
- 多飲多尿が数日続いている
- 尿の量・色が気になる
- シニア犬で生活の変化がある
まとめ
多飲多尿は、犬が体調の変化を教えてくれる大切なサインです。
「いつもと違うかも?」と感じたら、ぜひ飲水量を記録してみてください。
受診時の大事な手がかりにもなります。
早めの気づきが、愛犬の健康を守る近道です。



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